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カテゴリー「アニメ・コミック」の18件の投稿

ガールズ&パンツァー「説明します!(装甲編)」

初心者向けに戦車の解説をします。
自分もさして練度は高くないので、突っ込みどころがありましたらよろしくご指導ください。

戦車を定義すると「無限軌道(履帯)で走行する直接戦闘用装甲車両」ですので、戦車と装甲は切り離せません。

「装甲って鉄板じゃん?」

などと思わずご一読ください。

現用戦車は軍事機密の塊である複合素材の装甲を張り巡らせていますが、戦車道で使われる戦車(第一次大戦のデビューから第二次大戦終結まで)は鋼鉄の板(鋼板)や鋳鉄で装甲しています。
基本的に防御力では鋼板装甲が、大量生産やコストパフォーマンスでは鋳造(鋳鉄の)装甲が勝っています。
各国は国力や工場施設、工員の技量などを鑑みて戦車の防御を考えました。
戦車の防御力は装甲の厚さだけでなく、形状も深く関係してきます。
当時の戦車を語るうえで外せない傾斜装甲については「不肖秋山優花里の戦車講座」で解説していますのでBD/DVDをご覧ください。
ここでは装甲の素材、鋼板と鋳鉄について加工法を交えて解説します。

1 鋼板装甲

鋼鉄(steel)は鉄(iron)と炭素(carbon)との合金です。
鉄より粘り強く鍛えることで強度を増すことができます。
強化法には圧延、鍛造、表面加工など様々な方法があります。
強化した鋼板を接合する方法で2つに分類されます。
リベット接合と溶接接合です。

○リベット接合
鋼鉄の枠(フレーム)に薄い鋼鉄製の板(鋼板)をリベットで留める工法です。
2話で38tを見た武部殿が「ビス」と表現した、丸い頭のぼつぼつがリベットです。
身近ではジーパンのポケットを留めている金具がリベットです。
戦車の装甲を留めるリベットはもっと長く、ボルトとナットを一本で兼ねるものだと思ってください。
裏側から差し込んだリベットの先を熱し、ハンマーなどで叩き潰して両側から挟み込むことで鋼板を固定します。
潰した結果が丸い頭なのです。
ボルトナットとの違いは一度固定したらリベットを切断するしか分離できない点です。
この工法は元祖戦車であるイギリスのマーク1戦車から第二次大戦初期の戦車で使用されました。大洗女子の戦車では38tと89式が全体に、M3中戦車では車体で採用されています。

でもこのリベット接合には大きな弱点がありました。
リベットに被弾すると、装甲は無事でも千切れたリベットが車内を跳ね回ることがあるからです。
装甲を貫通できない砲弾でもリベットに当たると乗員が死傷してしまうので、第二次大戦が始まると次第に廃れてゆきます。

○溶接接合
鋼板同士をつき合わせて、溶接棒を溶かしながら部材を一体化させる工法です。
イメージ的には半田付けに近い工法ですが、溶接棒だけでなく部材も一緒に溶かして一体化する点が違います。
鋼板が厚ければ枠は不要(ティーガーなど)となりますし、一体化されるので接合部の強度が下がることもありません。
ドイツ戦車はほとんどこの工法でした。
欠点と言えば溶接には熟練の技術と手間暇がかかることです。

鋼板は板ですから、端をつなぎ合わせて組み立てれば4号のような箱形の戦車となります。
でも角をいちいち溶接やらリベット打ちをしてしたら手間暇とコストがかかります。
そこで鋼板を曲げるプレス加工という手法が採用される場合があります。
凸と凹の金型に挟んだ鋼板を圧力をかけて押し曲げるので、基本的にかまぼこ型となります。
型を工夫すれば複数箇所曲げることも可能です。
M3、M4中戦車の車体前面の曲面は恐らくプレス加工されたものでしょう。
しかし50ミリもの鋼板を曲げるプレス機は非常に大型となるうえ油圧を駆動させる電力消費も大変なものです。
工業力がある国でなければ大型プレス加工はできません。

2 鋳鉄装甲

鋳型(型枠)に溶かした金属を流し込んで一体成形する加工を鋳造と言います。
溶かしたプラスチックを型枠に流し込んで成型するプラモデルの生産と原理は同じです。
鋳造で造られた鉄は鋳鉄と呼ばれますが、純粋な鉄ではなく炭素やケイ素などとの合金です。
鋳造装甲はウサギさんチームのM3中戦車の砲塔に見られる曲面が特徴(逆に平面は不得意)です。米ソ戦車の砲塔は鋳造が主流でした。
短時間で複雑な形状が造れるため大量生産に向いています。
溶接工ほどの熟練技術も不要でコストパフォーマンスにも優れています。
ただし、大きな部品を鋳造をするには大きな鋳型を固定したり上下させたりする必要があるため、設備が大型となり初期投資が莫大となります。
車体を丸ごと鋳造するとなるとアメリカくらいしかできず、作中ではサンダース付属高のフラッグ車を務めたM4A1くらいです。
(プラウダ高のJS2は車体前部だけが鋳造装甲です)

鋳鉄は硬いのですが伸びにくく、鋼板に比べると割れやすい点が装甲として不利です。
製法や素材の性質の都合で圧力を加える強化はできず、表面処理も制限されます。
つまり同じ厚さでは鋳造装甲は鋼板装甲ほどの防御力は得られないのです。
さらに硬いことは「脆さ」となります。
脆い装甲に砲弾が命中すると、貫通されなくても衝撃で内面が剥離して飛散しやすくなります。
ただでさえ重い戦車が、鋳造装甲で鋼板装甲並みの防御力を求めるとさらに重くなります。
この辺は「何を優先するか」にその国の戦車に対する姿勢が出てきます。

また溶接ほどではないにせよ技術力が必要で、特に素材が悪いと悲惨なことになります。
良質ではない鋳造装甲の代表例が、ソ連のT34中戦車です。
初期のドイツ軍をパニックに陥れた防御力が売りでしたが、鋳造装甲の砲塔は内面剥離しやすく砲塔乗員の死傷率が車体乗員を上回りました。
戦車は車体より砲塔の方が防御力は高いのが常識です。
車体を隠して砲撃(11話で大洗戦車が陣地に入った例)するなど一番敵に晒す部分が砲塔だからです。
これには理由があります。
スクラップを材料にしたため、鋳鉄に適さない素材だったうえに材質も不均一だったのです。
鋳鉄本来の強度が得られないことに加えて内部に気泡(巣)を残した装甲が生産されました。
極端に表現すればT34の鋳造装甲は「スポンジ状」だったのです。
このため「ドアノッカー」とドイツ軍が見捨てた37ミリ砲でも砲塔は内面剥離する危険がありました。
車体はアメリカから輸入した鋼板を溶接していたので頑丈でした。
ドラマCDでアリサにカチューシャがやりこめられたように、T34の高い防御力はアメリカの助けがあったから実現できたのです。
もっとも素材の加工不良までは勘案されないでしょうから、プラウダ高のT34はカタログ通りの防御力で判定されたことでしょう。

長文お付き合いくださりありがとうございました。
ガルパン観賞の一助になれば幸いです。

巡礼者ができる聖地での災害対応

今朝方の地震で「震源地が茨城県南部」と知ったとき、真っ先に大洗町のことが頭に浮かびました。

震度2と確認して安堵はしたものの、危機管理の重要性を思い起こしました。


万一巡礼中に災害が発生した場合、どうしたら良いか分かりますか?


危機管理の専門家ではありませんが、自分なりの考察をまとめてみました。

思いつきの「叩き台」ですので、ご意見ご提案などがありましたらコメントくださると幸いです。

随時訂正して皆様の一助になれたらと思います。


1 初動


災害発生時、人命が何より優先です。

黒森峰時代の西住副隊長よろしく直ちに救助に当たってください。

負傷者がいないか、倒壊した建物などに取り残された人がいないか、全力で捜索してください。

その際に重要なことは「自分の安全が確保ができない」と判断した場合は避難することです。

二重遭難ほど悲しいことはありません。

もちろんただ逃げるではなく、避難場所への誘導に協力しつつ、助けが必要な人には手を貸してください。

特に津波警報が出たら可能な限り早く避難してください。


大洗町の避難場所はこちらです。

http://www.town.oarai.lg.jp/~seikatsu/kurasi/info_g_3_305.html

負傷者を見つけたら応急処置を。

救命講習を受ける、荷物の中にファーストエイドキットを入れておくなど、日頃からの準備をお願いします。



2 避難場所


避難場所では人手が必要です。

その場合「自分が何をできるか」を明確にして地域に協力を申し出ると良いかと思います。

船舶免許や重機操作など、特技が必要な場面は多々出てくるでしょう。

連絡手段がある、有効な伝手がある、などの場合は怖じけずに手を挙げてください。

たとえその状況では役に立たずとも、誰かが前に出ることで後に続く人が出るものです。

「物資の配布」「行列の整理」など慣れていることに率先して協力してください。

ところてん作戦を想起して、日本人の奥ゆかしさに突破口を開きましょう。



3 その後


都合が許せば、そのまま滞在してボランティア活動をしてください。

その場合いつまで滞在するか、つまり撤退時期の見極めが重要です。

大切なことは「地域に負担をかけないこと」です。

つまり自分が滞在することで役に立つプラスより、地域にかける負担のマイナスが上回るときが撤退時期です。


負傷や罹患した場合、重症でない限り撤退してください。

地域医療に負担をかけないよう、地元や大都市での治療をお願いします。


宿泊施設が空いていないなら撤退してください。

宿泊施設が残っていても、道路が寸断されれば水と食料が無くなりますので撤退を考えてください。

心配しなくとも、補給物資を携えた後続が向かっているはずですので、後は任せて大丈夫です。

帰宅後、態勢を建て直して再度出撃した方がより聖地の役に立てることでしょう。


なお、地元も被災していたらそちらを優先してください。

被災者の心に負担をかけないよう、ボランティアは「自分の余力」で行ってください。

ガールズ&パンツァー 秋山殿は凄いんです!

練習試合で見事な砲撃を見せた秋山殿はその後装填手に就きました。
最大6キロ(嫁これの台詞より)の砲弾を素早く装填するなど、華の砲撃を支える見事な働きぶりでした。
装填手と言うと砲弾を込めるだけの仕事と思うかもしれません。
しかしそれだけではないのです。

いち早く専任の装填手を取り入れたのはドイツ軍です。
第二次大戦開戦時、他国では装填は砲手や車長が片手間にしていました。(例外:KV-2は砲弾が重すぎて二人の装填手を置いた)
しかしこれだと砲撃頻度が落ちたり、周辺警戒が疎かになります。
そのためドイツ軍は車長と砲手を専任させました。さらにドイツ軍は無線機を搭載、当時は使い勝手が悪かったので専任の通信手を用意したのです。(他国は指揮車に装備したくらい)
これによりドイツ軍は複数の戦車が連携して作戦行動できた他、砲兵や空軍への支援要請も簡単に行えました。
開戦初期に無敵を誇ったドイツ電撃戦は、情報ネットワークを活用した最初の戦争なのです。

電撃戦とは、それまでのように歩兵に合わせて戦車を使うのではなく、戦車に合わせて歩兵をトラックなどで運び、重い大砲に頼らず空軍が爆撃により支援し、強敵を避けて敵の弱い部分を突破するスピード戦という画期的な作戦でした。
グデーリアンが著書「Achtung Panzer!」(最近出た公式資料はこれが由来です)で唱えた構想です。彼が戦車を陸上戦の主役にしたのです。
そして戦車を最も上手に使ったのはエルヴィン・ロンメル将軍(のちに元帥)です。敵であるイギリス首相チャーチルに「ナポレオン以来」と言わしめた人です。
他ならぬエルヴィンからグデーリアンのソウルネームもらったのだから、秋山殿はあれほど喜んだのですよ。

閑話休題。
以上のように装填手が専任になったのはある意味結果論です。
確かに装填手が専任になれば砲撃頻度はあがります。ですがそれ以上の意味があると後に分かりました。
戦闘中、操縦手や砲手は操縦や照準にかかり切りです。通信手は情報収集で耳を働かせたうえに機銃を操作。車長は周辺を見て敵味方の状況を把握しなければなりません。
つまり戦闘中に車内を見ていられるのは装填手だけなのです。
各乗員が何をしているか装填手は見られるわけですから、戦車全体を把握するのに最適なポジションです。
米軍が現在も装填手を置いているのは、ひとつにこれが理由だからです。(車長になるには装填手の経験が必要)
みほが「装填手をしていれば車長になれる(嫁これの台詞より)」と言ったのはお世辞ではありません。
そして装填手の重要な役割が、いざというときの交代要員です。

あんこうチームはみほ以外初心者です。
チート的に麻子が天才ですが、あれはマニュアルどおりにできる操縦だからです。砲撃は教本通りにはできません(先読みや車体の傾きなど)し、あの無口で通信手は無理です。
その点、秋山殿はどのポジションでも交代できます。
砲手の腕前は練習試合で実証済み、無線機は自室にあるほどですから使えない方が不自然ですね。
そして操縦ですが、プラウダ戦で麻子がカモさんチームを助けに行くとき「任せる」「はい」とスムーズに委譲したことで出来ることが明らかになりました。
さらにそして緊急時に適切な対応ができます(練習試合で華が失神したときの報告など)。

まさに秋山殿は「スーパーサブ」なのです。

そして指揮官であるみほへの信頼は絶大です。
昨年の全国大会でのみほの行動を理解しています。
戦車道で大派閥である西住流に異を唱えるなんて凄いことなのに「助けられた乗員たちは感謝している」と言うんですよ。
勝つことにこだわる西住流より、よほど戦車道していると思いませんか?
重要なこととして、秋山殿は部下にありがちな指示待ち人間ではありません。
サンダース大付属への単独潜入で独自判断で自在に行動できることを立証しました。

みほとは別タイプですが、秋山殿が最高の戦車乗りであることは間違いありません。

秋山殿は凄いんです。

ガールズ&パンツァー 説明します! (性能向上編)

ガールズ&パンツァーを見た一部から「戦車の動きがおかしい」との声があがっています。
確かに第二次大戦の実写映像と比較すれば、作中の戦車は機動力が増しています。
「リアリティがない」と思う前に説明を聞いてください。
当時と今とでは、生産加工技術が飛躍的に進歩しているのです。

一般的に鋼鉄と呼ばれる金属は、鉄と炭素との合金です。
不純物が混じれば強度などは低下します。
同じ鋼板でも、半世紀の技術進歩は目覚ましいものがあるのです。
戦後の日本が重工業で躍進したのも、ひとえに製鉄業の技術が世界一の水準だったからです。

加工技術ですが、1940年代は優秀な職人なら1/100ミリの精度で加工できました。
(母校の大学に、戦前に輸入されたアメリカ製の工作機械がありました)
しかし半世紀も進歩した工作機械では1/1000ミリの制度で加工できます。

たとえば歯車同士では「バックラッシ」という遊びがあってはじめてなめらかに動けます。
これが小さいとガッシリとかみ合って動かず、大きいとガタガタと動いてなめらかに動きません。
高精度で加工できれば、部品の耐久性は飛躍的にあがり、動力の伝達ロスも少なくなり、故障の確率は著しく減少します。

戦車の弱点は重量です。
サスペンションなどの駆動系に負担がかかって故障しやすくなります。
エンジンの出力が足りずに遅くなります。
しかし部品の質と加工精度が上がれば強度が増して壊れにくくなります。
故障しないようおっかなびっくり使っていたものが、その心配なしで動かせるようになるだけで相当違ってきます。
さらに燃料や潤滑油の性能向上、電装品の品質向上があれば当時以上にエンジンを回転させることも可能です。
占領軍がアメリカ製のガソリンを入れただけで、日本軍機の性能が上がったなど有名な話です。

金属は不滅ではありません。摩耗しますし、力を受け続ければ歪みます。
駆動部など半世紀前の部品が残っている方がおかしいのです。
空襲される工場で急いで作られた部品と、現代技術の粋を凝らした部品とでは精度は桁違いです。
戦時中に粗製濫造された戦車を現代の加工技術で作られた部品でレストアしたら、動きがよくなるのは当然なのです。

戦車道は競技です。
使用される戦車の性能アップはされて当然。
世界大会まである競技で用品が半世紀も進歩しない方がリアリティがありません。
戦車道は高校生(まほ)がニュースに出るほどメジャーな競技なんですよ。
現代日本なら野球やサッカーに匹敵する人気です。
市販車をベースとした自動車レースを考えてください。サーキットで走る競技用車両を見て「市販車より性能がいい。おかしい!」とは言いませんよね?
戦争で使われたのは当時の工業品、戦車道で使われるのは競技用のカスタム品です。

戦車道の規則では「第二次大戦終結までに搭載される予定だった部材を使用すること」との規定はありますが、加工法については制約はありません。
当時存在しなかったコンピューター制御工作機や3Dプリンタを用いてもいいのです。
それどころか「部品等が調達不能等の理由で再現が困難な場合」は改造さえ許されているのです。


では実際に稼働しているレストア戦車が性能向上しないのはなぜか?

それは熟練の工員が部品を作っているわけではないからです。
不慣れな工員では材料をきちんと工作機械に取り付けることさえできません。
1/1000ミリの世界は、匠の域にあるのです。

戦車は大量生産された工業品で、精密部品以外はそれほどの制度は求められませんでした。
戦時中は動ける戦車をとにかく戦場に送ることが優先されました。
それに引き替え競技なら、専門の熟練工が最適に加工できる環境があります。
戦闘機レベルの精度を求められる部品なら、ボルト一本でそれがどういった機械のどの部分に使われるか分かるほどなんです。
当時と同じ設計図でも、現代で最高の技術で加工すれば部品ひとつひとつ性能は飛躍的に向上します。
それらを組み込んだ戦車は、戦場よりも生き生きと動けるのです。

環境が変われば性能も変わるのは当然。
第二次大戦当時より、戦車道で使われる戦車の性能は向上しています。
それがガールズ&パンツァーの作中でのリアリティなのです。

ガールズ&パンツァー 反論します!

ガールズ&パンツァーの知名度があがるにつれ、的外れの誹謗中傷が聞こえてくるようになりました。
そこでそんな人たちを黙らせるための反論をいくつか例示したいと思います。

ケース1
兵器を使うなんてスポーツじゃない。

対応
陸上競技の砲丸投げは、大砲の弾である砲丸を投げるスポーツです。
マラソンはマラトンの戦いの戦勝報告を、伝令が40キロ走って伝えた後に死亡した故事に由来します。
兵器を使ったり戦争を起源に持つスポーツが「現実」にあるのに、それを問題にせず「虚構」を問題にするなんて変ですね。


ケース2
努力もなしに成果を得るなんておかしい。

対応
練習シーンを見ていないのですか?
女の子ですから、砲弾を戦車に積むことだけでも苦労しているシーンもありました。
経験者である主人公の足を引っ張らないように、仲間が秘密特訓するエピソードもあります。
最初は怖がって逃げた一年生が、最後は勇敢に強敵と相打ちになるなど成長がしっかりと描かれています。
情報を得るという「努力」もせずに思い込みを根拠に批判するほうがおかしいです。

ケース3
本当の戦争はあんなもんじゃない。

対応
「戦車道は戦争ではない」と登場人物が明言しています。
戦車道は安全に配慮したスポーツです。
剣道を「本当の斬り合いはあんなもんじゃない」と言いますか?

レアケース
ガルパンは自民党の陰謀だ

対応
生温かく見守りましょう。


世の中には信じられないことに難癖をつける人がいます。
反論に困るケースがありましたら、いつでもブログ、Twitter、メールにて相談ください。
一緒に考えましょう。

ガールズ&パンツァー 提案します! (水上戦車戦)

昨日思いつきでツイートした水上戦車戦、撃破判定装置を思いついたので提案します。


ゴムボートに竿を立て、上にスポンジの的をつけます。スポンジは小さなシーソーの端にあり、もう反対側には白旗。
水鉄砲で敵の的を撃てば、重くなったスポンジが下がって白旗が上がるという寸法です。
ポンプ式の水鉄砲なら物によって10m飛びますから、十分砲撃戦の雰囲気が楽しめると思います。

海の一角を囲ってゴムボートを5隻ずつのチーム戦。
ボートを漕ぐ操縦手、水鉄砲を撃つ砲手、水鉄砲のポンプをシュコシュコやったり水を補充する装填手。
基本は3人ですが、装填手をもう1人乗せて射撃速度をあげる重戦車とか、砲手が装填手を兼ねる軽戦車とかもありかも。
各ボートにはチーム名や戦車名をつけ、実況すればギャラリーたちも楽しめると思います。
「38tの砲撃、JS2行動不能!」
とか実際にはあり得ない状況が起こるのも一興かと。

夏にガルパンファンがが楽しめるイベントとして、叩き台程度に提案いたします。

ガールズ&パンツァー 説明します! (大砲編)

戦車と言えば大砲というイメージがありますが、初期の戦車には機関銃しかない物があったり、大砲があっても車輪で走る場合は装甲車と呼ばれるなど、大砲は戦車の絶対条件ではありません。
でもまあ、戦車の魅力と言ったら大砲なので(かく言う自分が88ミリ砲ファン)大砲について初心者向けに語らせていただきます。
あくまでも初心者向けなので、戦車談義できる方からしたらお笑いものでしょうけど、そこはご理解ください。

大砲とは火薬の燃焼圧力で物体を飛ばす武器です。
古くは石を、その後は鋳物の鉄球(砲丸)を飛ばしました。

ここで脇道。
陸上競技にある砲丸投げは、文字通り大砲の弾である砲丸を投げて力自慢をしたことが発祥です。
一般男子は16ポンド(7.26キロ)の砲丸を投げます。
聞き覚えがある単位が出てきましたね?

みほ「今のは?」
優花里「ファイヤフライ、17ポンド砲です」

イギリス軍は昔からの単位、砲丸の重さで大砲を分類していたのです。
マチルダ2歩兵戦車の40ミリの2ポンド砲、クルセイダー巡航戦車は57ミリの6ポンド砲を搭載していました。17ポンド砲は76.2ミリになります。
他国は全部弾頭の直径で大砲を分類しました。ドイツだけがセンチ単位で他はミリ単位です。
だから有名な88ミリ砲は正式には8.8センチ砲なのです。


球型から釣り鐘型へと弾頭が進化した際、砲身の内側にらせん状の溝が刻まれるようになりました。弾頭がこの溝によって回転を与えられると飛行姿勢が安定して、命中精度があがります。この溝をライフリングと呼びます。ライフル銃の語源です。

大砲は弾頭の直径が大きいほど威力があります。

榴弾は中に詰める爆薬が増えますし、徹甲弾は重くなるほど運動エネルギーが増して貫通力が上がるからです。

なら戦車に積む大砲は大きければ大きい方がいいじゃないか。

とはならないのです。
なにしろ大きな大砲は重くなります。砲身だけでなく支える砲架も大型になります。
装甲だけでも重い戦車がさらに重くなれば、速度は落ちるしサスペンションも故障しやすくなります。ティーガー1が最後まで足回りの故障に悩まされたように。
重くなると砲身を上下させる歯車に負担がかかります。128ミリ砲を搭載したヤークトティーガーは、砲身支えなしで動くとすぐ歯車が摩耗して命中制度が低下する、ある意味ポルシェティーガー以上の失敗兵器です。
重い大砲を乗せれば砲塔を回転させるのにもより力が必要となります。
上下左右に動かすのが大変な大型の大砲は、迅速さが求められる戦車戦では不利なのです。
それに大きな大砲を乗せると車内が狭くなって砲弾の積載数が減ります。ソ連の122ミリ砲搭載JS2重戦車はたった28発しか積めませんでした。
さらに重い砲弾は装填が大変です。JS2の砲弾は弾頭だけで25キロ! 薬莢分離式でなんとか装填しました。
作中最大の大砲はKV-2の152ミリ砲で、装填手はふたり必要でした。それでも発射速度は遅いし、砲弾も38発しか積めません。たしかに威力はありました。榴弾なので装甲は貫通できませんが、爆圧で装甲を叩き割ったほどです。でもさすがに取り回しが悪くて、ソ連戦車にしては少数で生産が終わりました。
現用戦車は120ミリが標準で、さらに自衛隊の一〇式戦車などは自動装弾装置を利用しています。
100ミリ以上の砲弾を人力で装填するのは無理があるのです。

大洗女子も砲弾の重さに苦しんでいました。
3突の装填手カエサルが75ミリ砲弾を必死に抱えていたり(3話)、一年生がM3中戦車に75ミリ砲弾を積載するのに四苦八苦していたシーン(5話)がありましたね?
砲弾を部屋に飾るほどの秋山殿だから最大6.8キロもある75ミリ砲弾を素早く装填出来たのですよ。

第二次大戦開戦当時、戦車戦を想定した主力戦車は37~50ミリが標準でした。
大洗女子の場合38tとM3中戦車の砲塔が37ミリ砲、B1bisの砲塔が47ミリ砲です。同時期に開発された聖グロリアーナのマチルダ2が40ミリ砲です。
主力戦車は運動エネルギーで相手の装甲を貫通し、内部で跳ね回る徹甲弾が主に使われました。運動エネルギーは重さと速度で決まるので、直径は小さくとも高速な弾頭を撃つことができる長砲身の大砲が選ばれたのです。

一方の支援戦車は最大75ミリの榴弾砲が主流でした。
大洗女子の4号、M3とB1bisの車体砲など支援用の大砲は75ミリ短砲身です。
なぜ短砲身?
砲身が長くて初速が速い方が射程も伸びますし、命中精度もあがります。
でも支援戦車は榴弾で陣地や対戦車砲を攻撃するのが主任務です。爆風や破片で敵兵を殺傷する榴弾の威力は弾頭に詰められた爆薬の量で決まるので、命中するだけの速度があれば十分なのです。
それに戦車で1キロ以上離れた目標を撃つなど、想定されていませんでした。(例外は間接射撃に対応していた4号戦車)交戦距離が数百メートルなら重量を増してまで長砲身にする理由はなかったのです。

支援用戦車なのであんこうチームの4号初期型は戦車戦が苦手です。
聖グロリアーナ戦では、至近距離でチャーチルの砲塔側面に命中させても撃破判定もらえませんでした。
短砲身の75ミリ砲の徹甲弾ではチャーチルはおろか、マチルダ2でさえ撃破はできません。そもそも大洗女子の戦車でまともにマチルダ2を撃破できるのは75ミリ長砲身を搭載した3突だけなのです。
でも4号はマチルダ2を撃破しましたよね?
これは恐らく「成形炸薬弾を使用した」という設定なのでしょう。
爆薬を円錐状に凹ませて爆発させると、中心に爆圧が集中します。さらに円錐の穴を金属でカバーすると、爆発の熱で蒸発した金属が一点に集中して装甲を貫通します。貫通力は約90ミリです。

マチルダの砲塔装甲は75ミリだから、撃破できます。でもチャーチルの砲塔側面93ミリ。ギリギリアウトです。

みほは右側部に回り込んで同じ場所を撃とうとしました。しかしダージリンはそれを察して砲塔を回転、4号の動きにあわせました。ダー様凄い!
長砲身の75ミリ砲なら徹甲弾で十分貫通力があるので、成形炸薬弾は戦車砲にはあまり使用されず、弾頭が回転しないロケット砲(米軍のバズーカ)や使い捨て無反動砲(ドイツ軍のパンツァーファースト)などで使用されました。
4号短砲身に成形炸薬弾が搭載されたのはトーチカ(コンクリートで固めた陣地)を破壊するためで、実戦では戦車への使用は禁じられていました。
成形炸薬弾が有効なのは75ミリ以上の大砲です。57ミリ短砲身の89式はどうあがいてもマチルダ2を撃破できなかったのです。

特殊砲弾が出てきたのでドイツ軍が多用した徹甲榴弾について触れます。
徹甲弾の内部に爆薬を積め、車内で爆発するのが徹甲榴弾です。戦車兵の殺傷力が増し、弾薬や燃料の誘爆も狙えます。ただ爆薬の分弾頭が軽くなるため徹甲弾より貫通力が落ちるという欠点もありました。でもパンターやティーガーなどは元々強力な戦車砲を搭載していたので、問題とはなりませんでした。
一方でイギリス軍は徹甲弾に固執しました。マチルダ2なんて歩兵支援戦車なのに徹甲弾しか用意しませんでした。榴弾がないので対戦車砲に弱く、ことに88ミリ対空砲には無力でした。チャーチルでさえ75ミリ砲を搭載するまで榴弾はなかったのです。こうした徹甲弾至上主義の恩恵を受けたのは敵であるドイツ軍です。戦車が撃破されても搭乗員が生き残る場合が多かったそうです。
反対に連合軍の戦車はドイツ戦車の徹甲榴弾によって派手に爆発するシーンが実写映像で残っています。
パンターやティーガーにとり、脅威となる連合軍戦車はファイヤフライとJSー2くらいで、その数は少数でした。当時のドイツ戦車にとり最大の脅威は連合軍の戦闘爆撃機で、次が歩兵のバズーカ砲だったそうです。

ところで3話の練習試合で3突に撃たれた4号の車体後部に砲弾がめり込んでいたことをお覚えですか?

一部で「カーボンコーティングが徹甲弾を防いだ」との声がありますが、これは間違いです。
めり込んでいたのは徹甲弾ではなく、競技用砲弾なのです。
スタッフコメントでありますように「センサーが組み込まれていて判定システムに信号を送る」のです。
つまり威力が弱かったり(チャーチル)、命中箇所が端で行動不能に該当しない場合(4号)は撃破判定されないのです。

戦車道はスポーツです。だから装甲を貫通する徹甲弾や徹甲榴弾、成形炸薬弾などは使われません。撃破判定の基準として引用されるだけです。
でも高速で物体が激突したり、榴弾の爆発衝撃で装甲の内側が剥離して飛び散ることがあります。
その効果を狙った粘着榴弾という砲弾もあります。装甲にへばりついて爆発、衝撃で裏面を剥離飛散させて戦車兵を殺傷する特殊砲弾です。
そんな危険を防ぐために車内はカーボンコーティングされているわけです。

戦車道は戦争ではありませんから、安全に配慮されているのです。

さて、あんこうチームの4号戦車はプラウダ戦に備えて長砲身に換装しパワーアップします。
砲身が長い方が、長い間加速できるので初速が速くなります。
でもそれには砲身に合わせた砲弾に変えなければなりません。

砲撃の引き金を引くと薬莢の底にある雷管が激発されて火薬に火が着きます。
その燃焼ガスの圧力で弾頭は砲身内で加速されます。
火薬が燃焼し終えるのと同時に弾頭が砲身から飛びだすと、最大の加速を得られます。
つまり砲身の長さにあった砲弾を使わないと威力が出ないのです。
短砲身用の砲弾を長砲身で使うと、弾頭がまだ砲身にあるうちに燃焼が終わってしまい、砲身を出るまで摩擦で弾頭の速度は落ちてしまいます。
逆に長砲身用の砲弾を短砲身で撃つと、火薬の燃焼が終わらないうちに弾頭が砲身から飛び出てしまい、所定の速度を得られません。
88ミリ砲の場合、ティーガー1とティーガー2とでは砲身長が違う(2の方が長い)ので、薬莢の長さからして違います。(これは戦場で混乱しないよう、意図的に変えているのだと思います)

ところで、榴弾の弾頭に詰めるのは「爆薬」で、薬莢に詰めて弾頭を打ち出すのは「火薬」と表現していることに気づきましたか?
燃焼速度により爆薬と火薬とで区分されます。
爆薬は瞬時に燃焼します。これがいわゆる爆発です。
火薬は砲身長に合わせて燃焼速度をコントロールし、最適な加速を弾頭に与えることが目的です。
そのため当時の火薬はスパゲッティみたいに細長く、束になって薬莢に詰められていました。
弾頭が砲身を通過する時間に合わせて調節されていたのです。
これが整っていないと初速はバラバラになり、命中精度など期待できません。
長砲身の戦車砲を活かすには、砲弾や砲身の品質といった工業力が必要なのです。

同じ75ミリ長砲身でも、M4中戦車と4号戦車、パンターとでは長さが違います。
それぞれの戦車砲は正式には下記のように表記します。
M4中戦車:37.5口径75ミリ
4号F2型:43口径75ミリ
パンター:70口径75ミリ
大砲の長さは砲身と薬室(薬莢が収まる場所)を合わせた長さが「弾頭の直径×口径」で計算できます。
M4中戦車の場合は「75×37.5=2812.5ミリ」約2.8メートルです。
ドイツだけは砲身と薬室に加え砲尾までの長さも含めるので、やや大きめの数字となります。
基本的に「長い方が初速が上がるので貫通力がある」と思っていいでしょう。
中には特殊砲弾などで貫通力をあげている場合があります。(ファイヤフライの17ポンド砲)

いくら強力な大砲でも当たらなければ意味がありません。
第二次大戦当時の命中精度がどの程度かと言うと「停止して撃てば静止目標に命中する」くらいです。
舗装された道路は別として、原野は凹凸があって乗り越える度に砲身が上下左右するわけです。自分も動きながら逃げる敵を撃っても当たる物ではありません。
だから聖グロリアーナが走りながら撃(行進間射撃)っても4号に当たらなかったのは、主人公補正ではありません。当時の命中精度はあの程度なのです。
それでも撃ったのは陸上戦艦の思想を聖グロリアーナが踏襲したことと、初心者が相手だからでしょう。現に一発も当ってないのに一年生たちは逃げ出しましたよね? 至近弾でも大砲に撃たれれば恐ろしいものです。未熟な戦車兵に対しては有効な戦術でした。
一流の砲手なら停車状態で移動目標に命中させられます。サンダース戦でフラッグ車を撃破した華さんが好例ですね。
行進間射撃で移動目標に命中させられたのはサンダースのナオミ、プラウダのノンナくらいでしょうか。日本軍でも超一流の砲手は行進間射撃で命中させられたそうです。ナオミとノンナは作中でトップ2の砲手なわけです。

命中精度に大きく影響するのは照準器です。
精度からしたらドイツ、イギリス、アメリカ、ソ連の順です。
開戦時から長砲身の76.2ミリ砲を搭載していたT34ですが、照準器が劣悪(イギリス軍に笑われるレベル)なうえ砲手も練度不足。遠距離では静止目標にすら当てられませんでした。
ソ連軍の対応は単純でした。当たる距離まで接近させたのです。当時のドイツ軍には正面からT34を撃破できる戦車はありませんでした。ドイツ軍にしても側面や後ろに回り込まねばT34は撃破できません。そのため独ソ戦初期は接近戦が多く発生しました。
戦争後半になるとイギリス製照準器のコピーを使うことと、戦車兵の練度があがることでソ連戦車もある程度遠距離戦闘ができるようになりました。でもその頃はドイツ軍の主力はパンターに以降しつつあり、T34/85でも接近しなければ撃破できませんでした。
遠距離の砲撃戦では熟練の戦車兵が減るまでドイツ軍が優勢だったのです。

アメリカのM4中戦車は当時の新技術ジャイロスタビライザーを搭載していて、車体が上下しても砲身が敵を捕らえ続けられました。つまり走行しながらでも(わりと)正確な射撃は可能だったのです。ですが扱いが面倒だとあまり使われませんでした。アリサの「バカでも」発言はある意味正しいのです。
それに移動しながらの砲撃って攻め手の米軍の場合、待ち構えている敵に向かうという状況がほとんどです。4号戦車にさえ負けるM4無印の戦車兵は気の毒でしたね。M4A1は4号戦車を上回る76.2ミリ砲を搭載していましたが、それでもパンターやティーガーを相手にするときは囮を使って誘き寄せ、至近距離から不意打ちするしかなかったんです。
ちなみにファイヤフライの17ポンド砲は規格が合わなくてジャイロスタビライザーは外されていました。だから行進間射撃で命中させられたのはナオミの技量によります。

第二次大戦も後半になると大型の戦車砲が標準になります。
ティーガー2やエレファントに搭載された71口径88ミリ砲なら連合軍のどの戦車も撃破できました。
だからヤークトティーガーや、ましてやマウスのような128ミリ砲搭載戦車が必要だったか疑問です。弾頭だけで28キロですから装填が大変です。ましてや制空権がない当時、巨大戦車は戦闘爆撃機の格好の的です。戦車は上からの攻撃に無防備です。みほが上からマウスを撃破したように。マウスは現実を無視したあだ花と言えましょう。
ソ連のJS2が122ミリ砲を乗せたのは「当初85ミリにするつもりだったけど、ティーガーやっつけられないから」と、85ミリ砲架に乗せられる122ミリ砲が選ばれたのが理由です。威力はありましたよ、正面からティーガー2を撃破できました。でも戦後の主力戦車T54やT55が100ミリ砲だったことを考えれば、明らかにオーバースペックでした。

以上のように大砲は大きければいいという訳ではありません。
用途に合った大砲を搭載するのが一番です。
第二次大戦で最優秀の戦車は、走攻守どれも一流なパンターG型だと個人的に思っています。冷泉殿も認めています。
70口径75ミリ砲は2000メートルの距離から連合軍戦車を撃破できました。
車体の前面装甲は米軍の90ミリ砲にも耐えるほど強靱です。
これに対抗できる戦車はソ連のJS−2だけでした。
つまりパンターは重戦車に匹敵するほどの中戦車だったわけです。

ドイツ軍の長砲身の75ミリ砲や88ミリ砲、チャーチルやJS-2の砲口に飾りみたいな部品が付いていますね?
あれはマズルブレーキと言い、反動により大砲が後退するのを減衰させるのが目的です。弾頭が砲口から出る際、燃焼ガスを後ろに跳ね返して大砲を前に引っ張って反動を減らすのです。
ただこれを使うと燃焼ガスが地面の砂塵を巻き上げるのが欠点で、3突みたいに砲身が低い車両だと視界悪化で難儀したそうです。

つらつらと大砲について語ってみました。
ガルパンを楽しむうえでの一助になれば幸いです。
長文にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。

最後に、地元大洗に幸いありますように。

ガールズ&パンツァーの戦車が凄い

ガールズ&パンツァー、往年のミリオタには過ぎたご褒美な作品です。
戦車好きで良かった。

戦車とは「履帯で走る装甲戦闘車両」のことです。
履帯のことをよくキャタピラーと呼びますが、これはキャタピラー社の商標なんです。
車輪で走る装甲戦闘車両は一般的に「装甲車」と呼び、履帯で走っても直接戦闘を目的としない車両は「兵員輸送車」とか「自走砲」などと呼ばれます。
最近は歩兵戦闘車両などがありますが、ガルパンの世界は1945年までの戦車を扱うので割愛。

この作品が、戦車マニアの層が一番厚い第二次大戦の戦車を選んだ意味は大きかったと思います。
単に大規模な戦車戦が多かっただけではなく、この時代に一番戦車が進歩したからです。 陣地を突破するための歩兵支援車両として生まれた戦車が、地上戦の主力へと用法が確立するのも第二次大戦です。

戦車の誕生は第一次大戦でした。
当時は互いに塹壕という溝に兵隊が隠れて、攻めてくる敵を機関銃で撃つなどという「待ちの戦い」でした。
戦線は膠着状態となり「西部戦線異状なし」という映画の題材ともなりました。
そんな中、イギリスが敵陣を突破するために履帯で走る装甲車両を投入しました。
これが戦車の元祖マーク1戦車です。 当時は極秘に開発していて「水を運ぶタンク」としていたため、英語で戦車のことをTANKと呼ぶようになりました。
タイトルにあるパンツァーはドイツ語で、かつては鎧も指しましたが今では戦車だけを意味します。

デビュー当時の戦車は速度も遅く装甲も薄かったので、通常の大砲で撃破することは可能でした。
しかし戦車が高性能になっていき、速度も出て装甲も厚くなると大砲の優位性も下がります。
戦車兵は装甲の中、対して大砲を操作する砲兵たちはむき出しだからです。
当時の砲弾は内部に爆薬を詰め、命中した所で爆発して爆風と破片で敵兵を殺傷する「榴弾」が主流でした。
でも爆風などは装甲に阻まれてしまいます。
そこで戦車を撃破するには硬い金属を高速で撃ち出し、運動エネルギーで装甲を貫通、車内で飛び跳ねた砲弾で乗員を殺傷する「徹甲弾」が使われました。
榴弾の場合は中に詰める爆薬が多い大口径の大砲が威力がありますが、運動エネルギーは速度に依存するので口径が小さくとも初速が速い大砲の方が有利です。
そんなわけで戦車を撃つ大砲は小口径で長砲身の大砲が選ばれました。
砲身内での加速時間が長い長砲身の方が初速を得られるからです。

それでも戦車は自在に動けるわけで、人力もしくは馬で引く大砲では対応しきれません。
そこで「戦車を倒すには戦車が必要だ」との認識が広がるわけです。
ですが第一次大戦は先に戦車を投入した英仏が勝利することで、戦車同士の戦いは第二次大戦までお預けになります。

戦車で勝利した英仏は敗戦国のドイツに戦車の保有をベルサイユ条約で禁止しました。
ドイツ以外の各国は、第二次大戦までの間様々な戦車を開発しました。
戦車のあり方についてまだ手探りだったからです。
所期の目的である陣地を突破する歩兵支援車両。
機械化した騎兵。
陸上戦艦。
中ではドイツのグデーリアンが「戦車を主力とする」という構想が先進的でした。
戦車の保有を禁じられたドイツはソ連で密かに研究開発をしました。
その結果誕生したのが、対戦車戦をメインとした主力戦車Ⅲ号戦車と、榴弾による支援を目的とした支援戦車Ⅳ号戦車でした。

世界中で色々な戦車が開発されましたがが、搭載する大砲で大きくふたつに分けられます。

徹甲弾の強い小口径(37〜50ミリ)長砲身の対戦車用戦車と、榴弾の威力が強い大口径(75ミリ以上)を搭載した支援用戦車です。
さて、大洗女子学園の当初チームの5台を見ますと以下の通りです。
主人公(あんこう)チームのドイツⅣ号D型が75ミリ短砲身の支援用戦車。
生徒会(カメさん)チームのチェコ38t戦車が37ミリ長砲身の対戦車用戦車。
一年生(ウサギさん)チームのアメリカM3は上記の双方の大砲を搭載したハイブリッド型。
バレー部(アヒルさん)チームの日本89式中戦車は支援用戦車ですが、57ミリ砲では威力不足です。
歴女(カバさん)チームのドイツⅢ号突撃砲だけが75ミリ長砲身で、唯一の火力です。

Ⅲ突以外は第二次大戦初期に登場する戦車で、脆弱と言わざるを得ません。
ですが主人公みほが乗る戦車をⅣ号初期型にしたのは大正解だったと思います。
なぜならⅣ号戦車は改良を続けて開戦から終戦まで戦い抜いた、ドイツ軍の主力だったからです。
あんこうチームの戦車の強化は、そのまま第二次大戦のドイツ戦車の進歩なのです。

戦争が始まると、ドイツ軍の主力戦車であるⅢ号はたちまち火力不足に直面します。搭載した37ミリ砲では英仏の重戦車に歯が立ちませんでした。
そこで高射砲である88ミリ対空砲で撃破するという裏技が使われました。
慌てたドイツはⅢ号の主砲を50ミリにします。ところがソ連のT34には太刀打ちできません。
主力戦車のはずだったⅢ号は早々に戦力外通告を受けることになったのです。
しかし戦争は続きます。
そのため75ミリ砲を搭載していた支援戦車のⅣ号戦車の主砲を長砲身にして装甲を厚くし主力戦車としました。 他には歩兵支援用に75ミリ短砲身を搭載していたⅢ号突撃砲を長砲身にしました。

金になる戦車は売ってしまった大洗女子で、唯一の火力としてⅢ突長砲身はある意味苦肉の策ですね。
他が41年までに出来ていたのに、これだけが42年以降です。

第二次大戦初期にはバラエティに富んでいた戦車ですが、T34以後はバランスタイプの中戦車へと収束してゆきます。
ソ連のT34はその後の戦車を変えたほどの傑作で、戦争前半では文句なく最優秀戦車でした。
生まれは歩兵支援戦車でしたが、搭載した76ミリ長砲身が強力で、当時のドイツ戦車を簡単に撃破できました。
傾斜装甲を採用して軽量化と防御力を兼ね備え、ディーゼルエンジンは高出力で燃費が良く、幅広い履帯で泥濘も雪も平気でした。
しかし歩兵支援用に開発されたため、戦車戦は不得手だったのです。
砲塔が小さい二人乗りなため、車長が装填手を兼ねるので発射頻度も遅く、無線機もほとんどないので連携が取れません。
専任の通信手を持つドイツ戦車にソフト面で負けていたのです。

その後ソ連は三人乗りの大型砲塔とより強力な85ミリ砲を搭載したT34/85を開発。76ミリ砲と合わせて第二次大戦で最も生産された戦車となりました。
対するドイツはⅤ号戦車パンターを開発。走攻守共にT34を上回る第二次大戦最優秀戦車でしたが、数が少なくドイツ軍の主力戦車は最後までⅣ号戦車でした。
アメリカはM3を繋ぎとして1942年にM4中戦車を大量投入。数でドイツ軍を圧倒しました。
イギリスはアメリカから供給されたM4をシャーマンとして愛用、しかし独自路線の巡航戦車や歩兵戦車の開発は継続しました。

第二次大戦で戦車は走攻守のバランスが取れた中戦車が最も活躍することが分かり、各国はそれぞれ新たな戦車を開発するようになりました。
そして今のMBTと続くのです。
重戦車はティーガーなどが有名ですが、機動力に劣り、個々の戦闘では脚光こそ浴びますが、戦争全体では主流は中戦車でした。
戦後も重戦車は研究されましたが、結局機動性が低い戦車を採用したのイギリスくらいでした。

しかし戦車が縦横無尽に活躍するシーンなんて、生きているうちに見られるとは思いませんでした。
いくらCGだって履帯とか転輪の動きなんて大変なんですよ!
製作スタッフには脱帽します。
良い物が見られました。
そしてガールズ&パンツァーが、被災地である大洗町に大きな喜びをもたらしましたことも忘れずに記しておきます。

魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's

化学物質過敏症なため、映画館へは足を運べなかったのが返す返すも残念。

ようやく発売されたブルーレイ版を見終わりました。
A'sの濃い内容をよくぞ二時間半にまとめてくれました。
映像も音楽も声優陣も見事ですが、何より脚本が最高でした。
テレビ版より進化していると言っても過言ではありません。
主役はなのはですが、敵方のボルケンリッターたちが健気で泣けます。
過去に誰かがしでかした悪事のため、今の人たちは誰も悪くないのに悲劇が起きて。
事件は解決しても悲しい別れがあって、涙腺崩壊です。
テレビ版を見た人にも見ていない人にもお勧めです。
今ならお得な特装版も。

クリエイターはやっぱりエンターテイメントでなければなりませんね。
創作意欲充填完了。
さあ、書くぞ。

カレイドスターは伝説の名作

今まで見なかった自分が許せない。

「謝れ! レイラさんに謝れ!」

と過去の自分を責めたいほど。

だってARIAの佐藤順一監督作だよ。

前から評判が高かったことは知っていたんだよ。

大原さやかさんのベストキャラに、いつもレイラさんの名前があがっていたじゃないか。

なんで今まで見なかったんだ!?

カレイドスターは伝説に残る名作です。

この作品はリアルタイムで見られた人は幸いです。

見ていない人は、今すぐレンタルショップへGO!

あるいはネット配信ですぐ見ましょう。今見ましょう。

ハリー、ハリー、ハリー、ハリー、ハリー!

この作品を見ないと人生損しますよ。

僕は十年も損をした。

これ以上損しなくて本当によかった。



以降ネタバレですので、読む人は注意ください。



バンダイチャンネルで見放題が終わる作品にあったので、一気に見ました。

最初はレイラさんに憧れたそらのサクセスストーリーと思いました。

実力を身につけ、物まねではない自分の舞台を見いだし、そしてレイラさんとの共演までこぎ着けたそら。

ところが、ユーリの謀略でカレイドステージは解散させられます。

演ずる舞台が奪われるなんて、思い切ったシナリオですね。

取り戻すための条件が「幻の大技」を成功させること。しかもその技はユーリの父親の命を奪った危険な技でもあるという燃える展開。ユーリは逆恨みでカレイドステージに復讐をしているのです。

幻の大技はペアでやる技。そらとレイラさんが挑みます。



この作品は主人公の特訓が随所にあります。

今回もグランドキャニオンで猛特訓ですよ。

平成のご時世に特訓。

そらは鉄球を腹に打ち込まれるという、巨人の星さながらのしごきをうけます。

さらにレイラさんは減量ですよ、減量!

無理が祟ってレイラさんは肩を痛めてしまいます。それを堪えてさらに特訓するのです。ひとことも弱音を吐かないレイラさんには、ハートを射貫かれましたよ。

汗と涙の末に完成した、幻の大技がついに披露されます!

震え上がる感動的な美しいシーンです。

成功した喜びもつかの間、レイラさんは肩の怪我で引退してしまいます。

そらに夢を託して。



この2クール26話だけでも歴史に残る名作だったのに、さらに続くんですよ。

レイラさんを欠いたカレイドステージは、レオンにかき乱されそらは追い詰められます。

さらに新人メイにヒロインの座を奪われます。

レイラさんが持ってきたサーカスフェス出場権をかけた勝負でも、そらはメイに敗れます。

しかし、まだ道はあった。かつての敵ユーリが味方となって再登場。

新たな技「天使の技」を会得したそらはユーリとサーカスフェスに乗り込みます。

しかし出演者同士の憎しみ合いにそらは動揺、途中棄権してレイラさんを失望させます。

失意のままに帰国してしまうそら。

1クールまるまる主人公が負け続けるなんて、今のアニメでできるでしょうか?

10年前でさえ無茶話だったことが製作裏話でうかがえました。

ですがこの苦闘があったからこそ、4クール目の盛り上がりが生まれるのです。

再出発したそらは、なんと雑用係をやります。

でも楽しいんです。そらがいればそこは舞台。

そらが目指すのは「争いのない、観客も出演者も皆幸せになれるステージ」です。

それが可能かどうかは分からない。「天使の技を完成させたらできるかも」と、一縷の望みです。

誰もなし得なかった高みへと目指すそらは迷いません。必死に特訓、ついに天使の技を会得するのです。



だがそんなそらの前に立ちはだかったのが、復活したレイラさんだあああああ!



なんと彼女も天使の技を会得したのです。

ついにふたりは主演の座を賭けて対決します。

同時に演技するという異常なオーディション。

でもそらは争うことは考えません。そらは、その場にいる人たちを幸せにしたいのです。

その気持ちが見る者の心を掴み、レイラさんも「そらを見たくなり」ふり向いた。

その瞬間、そらの背中には翼が――

レイラさんはそらから役を奪うためではなく、そらに破れて道を開くために、肩の故障を押してオーディションに挑んだのです。

「これからはあなたが挑まれるのよ」と伝えるために。

目標だった自分が負けずに引退したため、そらを迷わせた責任をとるために。

そして最終回そらの演じる白鳥の湖の見せ場、天使の技に魅せられたキャストが舞台に出てきまいます。客席からパフォーマーたちも参加しますが、誰も争わず、皆が楽しんで芸をします。客席と舞台が一体となって皆が幸せになります。

そらが目指してきた舞台が実現したのです。

見届けたレイラさん「私の役目は終わった」と言うのですよ。

そらのために、そこまでやりますか。

あなたは女神ですよ。


こうして幕を閉じたカレイドスターですが、その後にOVAでレイラ・ハミルトン物語が出ています。

こちらはレイラ編の最終回。

今まで心を強くして生きてきたレイラさんが「弱くてもいいんだ」と、初めて涙を流すのです。

そうなんだよ。レイラさん神がかりすぎていましたよ。まだ十代なのにいいいい!

やっとレイラさんも本当の自分を取り戻せました。



いやいや、実に素晴らしい作品でした。

伝説に残る名作です。